こんにちは、編集長のカワウソです!
「ホームページをリニューアルしたいけど、何から始めればよいか分からない」と困惑していませんか?
中には、ある日突然、社長からホームページリニューアル担当に任命された方もいるかもしれません。
ホームページのリニューアルは変化をもたらす一大イベントですが、じつは失敗する企業も多いです。
そこで、この記事ではホームページをリニューアルする手順を解説します。
カワウソ
この記事は次のような人におすすめ!
- ホームぺージのリニューアル担当に任命された人
- 約5年~10年前に作ったホームページを運用している人
- HTMLで作ったホームページを運用している人
- ホームページのリニューアルをWeb制作会社に依頼する人
この記事を読めば、ホームページのリニューアルに成功できます。
それではどうぞ!
目次
企業がホームぺージのリニューアルで失敗する理由
ホームぺージのリニューアルで失敗する企業は少なくありません。
そのため、失敗例を交えながらリニューアルを成功させるポイントについて解説します。
明確な目的を持たずプロジェクトを進行した
ホームぺージをリニューアルする際は、目的を明確化しましょう。目的を持つと、どんなホームぺージを作ればよいのか分かります。

「ホームページの減価償却が終わったから」「3年~5年経ったから」といった理由だけで、ホームページをリニューアルするのは危険です。
目的がなく作られたホームぺージは、あとから問題が多発します。最悪の場合、以前よりパフォーマンスが低下する可能性もあるのです。
また、ホームぺージのリニューアルには、それ相応のコストがかかります。投資対効果が悪ければ、結果的に「失敗」と判断せざるを得ません。
社内で認識が統一できていなかった
あらかじめホームぺージをリニューアルする目的は社内で認識を合わせておきましょう。
プロジェクト責任者と担当者の間で、認識にズレがあると必ず失敗します。

なぜなら「成功」か「失敗」かの判断は、最終的には責任者ないしは社長が下すためです。
成果が上がるホームぺージが完成しても、責任者や社長が考える成果と違っていれば、よい評価は得られません。
その他、リニューアル担当に指名された時点では、まだホームぺージをリニューアルする目的が定まっていないこともあるでしょう。
その場合、この記事を参考に積極的に提案してください。そうすれば、会社から良い評価を得られます。
成功が何か決まっていなかった
目的と同じように重要なのが、「目標」と「指標」です。
仮に、ホームぺージをリニューアルする目的が「人材の採用数を増やしたい」だとします。
いつまでに何人採用するという定量的な目標を立てなければ、「いつ」「何をもって」成功したのか、判断できません。
また、目標の達成はすぐに判断できるものばかりではありません。そのため、指標を定める必要があります。
指標は「目標を達成するための取り組み」を評価するものです。
たとえば、フルマラソンで3時間を切る目標を立てる場合、「1kmあたり何分のペースで走ればよいのか」や「10km地点はいつまでに到達していればよいのか」といったものが指標です。

定量的な指標は判断材料になります。「このままでは3時間を切れない」と判断した場合、途中で軌道修正するのに役立ちます。
カワウソ
企業ホームページのリニューアル手順
では実際に、ホームぺージをリニューアルする手順を詳しく解説します。
会社によってリニューアルにかける予算は違うと思いますので、この中で「コストに見合わない」と感じた部分があれば、省略してください。
また、「難しくてよく分からない」と感じる項目については、一旦読み飛ばしていただいて結構です。Web制作会社に依頼する際に、相談して決めてください。
【手順1】目的を明確にする
前述の通り、まずはホームぺージをリニューアルする目的を明確化しましょう。
ほとんどの企業が下記に当てはまります。
- 会社・ブランドの認知度を上げたい
- 申し込み数を増やしたい
- 人材の採用数を増やしたい
- 更新コストを削減したい
どれも会社の業績に影響するものばかりです。
万が一、この中に該当するものがないという方は、その目的が「会社の業績を良くするものかどうか」判断してください。
場合によっては、ホームぺージのリニューアルの再検討が必要です。
【手順2】目標と指標を決める
ここでは、先ほど紹介した目的に沿う「目標」と「指標」の例を挙げます。
会社・ブランドの認知度を上げたい
じつは、会社やブランドの「認知度」を図るのは簡単ではありません。
このあとに解説する「申し込み数の獲得」のように、目標に直結する数字がないためです。
そのため、次に挙げる指標を参考にしてください。
目標 | (例)来期のブランドの認知度を今期の〇倍に高める |
指標 | ホームぺージのアクセス数、会社名・ブランド名が検索された数、メディアでの報道数、SNSのフォロワー数や投稿数、メルマガやLINEの登録数など |
たとえば、「社名・ブランド名が検索された数」は「Googleトレンド」を利用すれば分かります。
Googleトレンドは、特定のキーワードが過去にどのくらい検索されたかを知るためのツール。過去数年分のデータを閲覧できるため、「これまで何のデータも取っていない」という企業でも役に立ちます。

また、国・都市を絞ったり、競合の社名・ブランド名と比較したりもできます。
ただ、社名が一意のものではない場合、同名他社の情報まで吸い上げてしまうため、参考になりません。
「社名・ブランド名が検索された数」に限らず、「メディアでの報道数」や「SNSのフォロワー数」など、複数の指標を設定してください。
その方が総合評価として判断できるため、精度が高まります。
申し込み数を増やしたい
現在獲得している申し込み数をいつまでにどのくらい増やすのか、目標に設定しましょう。
目標 | (例)月間の申し込み数を現状の〇倍に増やす |
指標 | ホームぺージのアクセス数、検索順位、資料請求数、問い合わせ数、フォーム(カート)離脱率、コンバージョン率(CVR)、顧客獲得単価(CPA)など |
申し込み数を増やすためにはまず、「ホームぺージへのアクセス数」を増やす必要があります。
SEO(検索エンジン最適化)により、検索結果で自社のホームぺージが上位に表示できれば、アクセスは増えます。そのため、「検索順位」は指標になります。
順位が上がらなければ、ホームぺージのコンテンツを見直すきっかけになるでしょう。
また、BtoB(企業間取引)であれば、「申し込み」の前に「資料請求」や「問い合わせ」を経由することが多いです。そのため、資料請求や問い合わせの数は指標になります。
仮に資料請求や問い合わせが少ない場合、ホームぺージではそれぞれのボタンの位置やデザインを変えるなど、何かしら対策できます。
その他、コンバージョン率の改善には、申し込みフォームの見直しも重要です。
EFO(エントリー・フォーム・最適化)と呼ばれるように、フォームの入力完了率や離脱率を改善できれば、申し込み数が増えます。
このように、「集客」と「ホームぺージの質」に沿った指標を設定しましょう。
人材の採用数を増やしたい場合
目標の決め方は同じです。いつまで(どの期間)にどのくらい増やすかを決めます。
目標 | 年間の採用人数を現状の〇倍に増やす |
指標 | ホームぺージのアクセス数、応募数、面接通過率、内定承諾率 |
人材採用の難しい点は、「ホームぺージで完結しない」が前提にあることです。
ホームぺージで応募を獲得しても、その後の面接で落ちたり、辞退したりする候補者もいます。つまり、単に「応募数」を増やせばよいということではありません。
たとえば「面接通過率」は応募者の質を測るのに活用できます。
仮に面接通過率が低い結果が出た場合、ターゲット(理想とする人物)からの応募を獲得できていないことを意味します。
もしかすると、ホームぺージの内容に問題があるのかもしれません。応募条件を見直したり、よりターゲットに刺さるコンテンツを用意したりしましょう。
その他、「内定承諾率」も指標になります。「ギャップを感じたこと」が辞退する理由であれば、ホームぺージに誤った表現があるのかもしれません。
残業があるのにも関わらず、「ない」と表記していれば、内定承諾率は下がります。
ただし、応募者の辞退理由(本音)を探り当てることは困難です。そのため、面接担当者と密に連携し、なるべく精度が高い情報を得られるように工夫しましょう。
更新コストを削減したい場合
ホームぺージの更新を外注に委託している場合、高額なコストがかかっている恐れがあります。
あとで詳しく解説しますが、CMS(シー・エム・エス)と呼ばれる「ホームぺージの管理ツール」を用いれば、Web制作スキルがない方でも更新できます。

結果、更新作業を内製化できるため、コストカットが望めます。
目標 | 月間の更新コストを〇〇円に下げる |
指標 | 内製コスト(人件費、人材採用費用、画像編集ソフト費用、素材費用、制作時間) |
しかし、誤解されがちなのが「内製=コスト0円」という認識。
ホームぺージについて本格的なWeb活用を実施していくのであれば、社内に更新担当者を配置する必要があるため、人件費がかかります。新規で採用するのであれば、採用コストもかかります。
また、Adobe社のPhotoshopやIllustratorといった画像編集ソフトを使用する場合は、月額約1,000円~6,000円程度かかります。
ノウハウが蓄積するなど長期で見ればメリットが多い内製化ですが、コスト削減を目標にする場合は、客観的な評価が求められます。
【手順3】課題を抽出する
ホームぺージを長年運用していると、少なくとも一つや二つぐらい課題があると思います。
できればこの機会に、課題はできるだけ多く抽出したほうがよいのです。
リニューアルしたあとで、「こんな課題もあったのか……」と気付いたときには、すでに手遅れになる場合も。
そのため、次の方法を用いて課題を抽出するようにしてください。
- セルフチェック
- アンケート(社内、顧客)
- 過去の顧客からの問い合わせ
- アクセス解析
ホームぺージの課題は自分だけでなく、周りの意見からも抽出するようにしましょう。社内でアンケートを取ったり、顧客に依頼したりもできます。
また、カスタマーサポートチームに依頼して、過去の顧客からの問い合わせ内容を共有してもらってください。
お客様の声はリアルです。実際にホームぺージを閲覧するユーザーからの意見ほど、参考になるものはありません。
その他、アクセス解析も効果的です。
Google Analyticsで直帰率の高いページを抽出して原因を探します。さらにヒートマップツールでクリック率の高いコンテンツを探せば、リニューアルの参考になるでしょう。
第三者の直観的・感覚的な意見に対して、データとして裏付けも取れますので、おすすめです。

次に、「具体的にどんな課題があるのか教えて」という方のために、よくあるホームぺージの課題例を紹介します。
デザイン(見た目)が古い
古いデザインのホームページを見たユーザーはどのように感じるでしょうか。
もしかすると「時代についていけない企業」と感じるかもしれません。
たとえば「求人に対する応募数が少ない」という課題の場合、ホームぺージのデザインが古いのを理由に、応募が減っている可能性があります。
求職者は自分の人生をかけて、応募する企業を選定しているでしょう。募集側の企業としては、イメージダウンに繋がる要素はできる限り払拭したいですよね。
新しいデザインでホームぺージをリニューアルすれば、会社の先進性をアピールできます。
ただ、注意点もあるのです。
「どうせならおしゃれなデザインにしたい」と考える人も多いと思います。
しかし、「おしゃれ」を重要視し過ぎると、結果として「目標が達成できないホームぺージ」になる恐れもあります。
詳しくは以下の記事で解説しています。

スマホからだと見づらい
パソコンサイトしかなく、「スマートフォンからだと見づらい」という課題がある場合、リニューアルを機に「スマホ対応」するようにしましょう。
スマホ対応とは、スマホでも閲覧しやすいホームぺージを用意すること。
近年、ユーザーのデバイス(情報通信機器)保有率に大きな変化が見られました。
情報通信機器の世帯保有率の推移 | ||||
デバイス | 2009年 | 2010年 | 2017年 | 2019年 |
パソコン | 87.2% | 83.4% | 72.5% | 69.1% |
スマートフォン | – | 9.7% | 75.1% | 83.4% |
タブレット | – | 7.2% | 36.4% | 37.4% |

参考【総務省:情報通信機器の保有状況】
2009年はパソコンが主な通信手段でしたが、2010年にはスマートフォンやタブレットを使う世帯が増え、2017年にはスマートフォンの世帯保有率がパソコンを超えました。
2019年ではスマートフォンの世帯保有率がさらに上昇し、タブレットも一定の割合を維持しています。
会社がパソコン用のホームページしか用意していないと、ユーザーがスマートフォンやタブレットから見た時に「小さい、文字が読めない」と感じてしまいます。
おそらくユーザーのほとんどがホームページから離脱してしまうでしょう。

情報が煩雑化している
ホームページを長年運用していると、それに比例して更新回数が増えます。同時にホームページに掲載する情報も増えているでしょう。
ホームページ開設時に想定していなかった情報を追加したことで、煩雑化するケースも珍しくありません。
情報が見つけにくいホームページはユーザーが困惑します。
ホームぺージをリニューアルする際には、コンテンツをカテゴライズし直し、再度サイトマップ(構造)から練り直すようにしましょう。
※サイトマップについては、のちほど詳しく解説します。
検索順位が上がらない
ホームぺージをリニューアルしたからといって、検索順位は上がりません。
しかし、以下のようなホームぺージは、SEO(検索エンジン最適化)に不利です。
ホームぺージをリニューアルする際には確実にクリアしておきましょう。
- スマホ対応できていない
- ページの読み込み速度が遅い
検索エンジンであるGoogleは、2015年4月21日からホームページのスマートフォン対応の有無をモバイル検索時のランキング要因として使用すると発表しました。
スマートフォン向けのホームページを持っていないと、スマートフォンの検索結果で上位表示されないといった事象が起きます。
また近年、Googleはホームページの読み込み速度も重要視しています。
これまで、ホームページの読み込み速度について、パソコンのみランキング要素に使用していました。
しかし、2018年7月からページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素にも使用すると発表しました。
つまり、読み込み速度が遅いホームページはモバイル検索で不利な状況に陥ります。
自社でホームぺージを更新できない
ホームぺージの更新作業を外注している企業のよくある悩みは以下の通りです。
- コストがかかる
- 納品が遅い
- 意思疎通が上手くいかない
リニューアル自体はWeb制作会社に依頼したとしても、そのあとの「更新作業は自社でできるようにしたい」と考えている経営者の方も多いのではないでしょうか?
確かに内製化できれば、コスト削減・スピードアップが望めます。
その場合、CMS(コンテンツ・マネージメント・システム)を用いて、ホームぺージをリニューアルするのがおすすめです。
CMSは簡単にいうと、ホームぺージの制作・更新の管理ツールです。Web制作スキルがなくてもホームぺージを作ったり、更新したりできます。

中でもWordPress(ワードプレス)がおすすめ。CMSのシェア世界一位(2022年1月現在)を獲得しており、実績が豊富です。

引用:W3Techs-Usage statistics of content management systems
【手順4】リニューアル予算の仮決定
Web制作会社に見積もりするにも、先におおよその予算を決めておきましょう。
ここでは、参考例を出して説明します。
目標 |
(例)コンバージョン数を年間1,000件から2,000件にする |
客単価 | 50,000円 |
売上目標(年) | 5,000万円から1億円にアップ(+5,000万円の効果) |
想定利益(年) | 1,000万円から2,000万円にアップ(+1,000万円の効果)※利益率20%と仮定 |
ランニングコスト(年) | 約800万円と仮定(ドメイン、サーバー、HP更新担当人件費など) |
残したい利益(年) | 1,100万円と仮定 |
HPリニューアルの年間予算 | 利益2,000万円-ランニングコスト800万円-残したい利益1,100万円 =100万円/年間 |
HPのリニューアル費用 | 5年の減価償却で考えると年100万円×5年=500万円 |
参考例では目標が達成される前提で予算を組んでいますが、会社によっては、現在ある資金の中から予算を捻出する場合もあると思います。とくに正解はありません。
ただ、事前に数字を算出すれば、ホームぺージのリニューアルから得られる成果がより具体的にわかるようになります。
目標やコストを見直したり、Web制作会社に見積もりを取ったあと予算を調整するのに役に立ちます。
【手順5】競合調査
ホームぺージをリニューアルする際に必ず実施したいのが、競合調査です。
競合調査は、自社の商品やサービス、ホームぺージの強み・弱みを知るために実施します。
とくに強みにおいては、競合他社と差別化が図れるポイントです。ユーザーにアピールできれば、高い成果が期待できます。
商品・サービスの競合調査
商品・サービスの競合調査は「4C分析」を用います。
- Customer value(=顧客にとっての価値)
- Customer Cost(=顧客にとってのコスト)
- Convenience(=顧客にとっての利便性)
- Communication(=顧客とのコミュニケーション)
「顧客目線」で比較すると、自社の強みと弱みを客観視して捉えられます。
可能であれば、既存顧客に「比較検討した他社」について、アンケートを取ってみるのも良いかもしれません。
ホームぺージの競合調査
次に、ホームぺージの競合調査です。
既存のホームぺージについて、競合他社よりも「劣っている部分」を見つけます。
劣っている部分は課題点です。課題点を抽出できれば、リニューアルを機に改善できます。
- 訴求力があるか
- 見やすいか
- 操作しやすいか
- コンバージョンまでの導線設計はスムーズか
- コンバージョンの動機となる決定的な差がないか
この際、とくに確認したいのが「コンバージョンの動機となる決定的な差がないか」という点です。
たとえば、自社のホームページが「カスタムオーダーのTシャツ店」だとします。見積もりを提示するためには、まずユーザーにデザインデータを提出してもらう必要があります。
しかし、競合他社のホームぺージに「自動見積もり機能」があればどうでしょう。ユーザーはホームページ上でリアルタイムに見積もり金額を確認できます。
そうなると、急ぐユーザーは競合他社にオーダーするでしょう。
4C分析の結果、「納期で勝負しない」と決めたのなら構いませんが、そうでない限りは自社にも取り込むべき機能といえます。
【手順6】要件定義
要件定義とはホームぺージのリニューアルにおける要件を取りまとめることです。
Web制作会社との認識のずれをなくすために行います。
ホームぺージリニューアルの要件定義 | |
条件 | リニューアル範囲、スケジュール、予算、インフラ環境、システム |
コンセプト | 既存ホームぺージの課題、リニューアルの目的、ターゲット、イメージ(世界観)、マーケティング施策、運用方法 |
中でも、とくに気を付けたい4点を抜粋して解説します。
正しく理解しておかないと、既存のホームぺージよりパフォーマンスが落ちる恐れがあります。再度作り直すといった致命的な事態に発展する可能性もあるため、必ずチェックしてください。
ドメイン継続の有無
ドメインはわかりやすくいえば、インターネット上の住所のようなもの。ホームページにアクセスしたり、メールを送ったりするために必要です。

たとえば、当メディアのURL「https://www.xserver.ne.jp/bizhp/」のうち、「xserver.ne.jp」がドメインに当たります。
基本的にドメインは継続してください。特別な理由なく変更すると、検索順位が落ちる可能性があります。
ただし、会社名やブランド名が変わる場合は、変更する必要性も出てくるでしょう。
ドメインが変わる場合は、リニューアル後すぐに以下の作業を行ってください。
- 旧ドメインから新ドメインに「301リダイレクト」する
- Google Search Consoleから「アドレス変更」を申請する
旧ドメインから新ドメインに「301リダイレクト」する
301リダイレクトはホームページのドメインやURLが変更になった際に、変更後のドメインやURLへ転送するための処理コードです。
仮に旧ドメインが「example.com」、新ドメインが「example.net」だとします。
301リダイレクトを設定すると、ユーザーが「example.com」にアクセスしたとしても、「example.net」にリダイレクト(転送)されるようになります。
具体的な方法はGoogleでも解説されていますが、技術的な要素が多いため、実際はWeb制作会社に依頼するのがおすすめです。
Google Search Consoleから「アドレス変更」を申請する
Google Search Console(グーグル・サーチ・コンソール)は、自社のホームページの健康状態を把握したり、改善点を見つけたりするのに役立つ管理ツールです。
旧ドメインから新ドメインへの移行について、Google Search ConsoleからGoogleに申請できます。
申請すれば、Googleが新しいホームページを認識しやすくなるため、検索順位が落ちるリスクを最大限抑えられます。
こちらも実際の設定手順は便宜上割愛します。Googleでも解説されていますので、難しければWeb制作会社に依頼してください。
Google Search Consoleの登録方法については、以下の記事で解説しています。

サイトマップ(構成図)の作成

どんなページがどれくらい必要なのか検討します。
Web制作会社の見積もり金額は、ぺージ数によっても左右されるため、あらかじめサイトマップについて、自社で検討しておくとよいでしょう。
また、サイトマップは「階層構造」を組み立てる目的もあります。どの情報をどのページに掲載するか事前に整理することで、ユーザーにとって見やすいホームぺージが作れます。
ただ、注意点があります。
安易にURL(階層)を変更してしまうと、検索順位が落ちる可能性があります。
検索順位が高いページについて、URLが変わる場合は301リダイレクトを施しましょう。
※実際の作業は難易度が高いため、Web制作会社に依頼するのがおすすめです。
システム要件
まずは「静的HTML」「WordPress」などホームぺージの作り方について検討しましょう。
「よく分からない」という方は以下の記事で詳しく解説しています。

また、その他システムが絡む特殊な機能(会員登録、フォーム、CRMとの連携、ブログなど)についても導入の可否やある程度の仕様をまとめます。
リニューアル後では、あとから追加できなかったり、費用がかさんだりする場合があります。そのため、入念に議論しましょう。
スマホ対応
先述の通り、スマホ対応は必須です。
「スマホ対応を忘れた……」と嘆いても、ホームぺージのリニューアル後では手遅れです。確実に要件定義に入れましょう。
おすすめは「レスポンシブデザイン」です。
レスポンシブデザインは、パソコン、スマホなどデバイスによって表示を最適化できるデザインです。

用意するホームぺージが一つのため、制作コストや運用コストを抑えられるメリットがあります。
【手順7】Web制作会社への見積もり・依頼
ここまできたら、Web制作会社を選ぶフェーズに入ります。
- 実績から選ぶ
- 予算、納期を確認
- 連絡方法も重要
詳しくは以下の記事で解説しています。

その後は、依頼するWeb制作会社によって違いますが、主に以下の工程が含まれます。
リニューアル要件の決定
要件定義で備えた情報をもとにWeb制作会社と協議します。
予算や納期との兼ね合いを見て最終決定してください。
ワイヤーフレームの作成
ここから、実際の制作作業が始まります。
ワイヤーフレームはホームぺージの設計図です。基本的にページごとに作ります。

どこにどのコンテンツを配置するかこの時点で決めます。ホームぺージの導線設計に関連する重要な工程のうちの一つです。
ここでリニューアル後のホームぺージの良し悪しが決まると言っても過言ではありません。
ワイヤーフレームのたたき台が上がってきたら、一度社内の意見をヒアリングしましょう。
デザインの決定
一度でデザインが決まることはほぼありません。そのため、Web制作会社と何度か打ち合わせが発生します。
あらかじめ、参考になる他社サイトがあればWeb制作会社に提示しておきましょう。その方がスムーズに進行します。
その他、既存のホームぺージから素材(テキスト・写真)を使う場合は注意が必要です。
素材の著作権が、以前依頼したWeb制作会社側にある場合もあります。
可能であれば確認し、難しければ「使わない」判断を下すほうがトラブルを回避できます。
コーディング

実際にホームぺージを作り上げる作業です。
ワイヤーフレームやデザインが建築士の仕事とするなら、コーディングは大工の仕事です。
ここでの注意点は、コーディング後の修正は、追加コストがかかるということです。
コーディング後の修正は、Web制作会社にとっても負担が大きいのです。また、納期が遅れる可能性も出てきます。
なるべくワイヤーフレームやデザインの段階で煮詰めるようにしましょう。
テストサーバーで確認
コーディングが完了したら、ホームぺージ制作の作業はほぼ完了しています。
新しいホームぺージを公開する前に、最低でも1週間、社内でエラーがないか入念に確認しましょう。
ホームぺージ公開前にミスやバグを改善できれば、問題が大きくなる前に防げます。
【手順8】新しいホームぺージを公開
テストサーバーの確認で問題箇所をすべてクリアできれば、公開サーバーに反映します。
実質、ホームぺージをリニューアルしたといえる状態です。ただし、まだやることはあります。
- 再度致命的な問題がないかチェック
- 「301リダイレクト」が正しくできているかチェック
- プレスリリース、SNS、メルマガ等での通知など
再度致命的な問題がないかチェック
テストサーバーで入念なチェックは済んでいると思いますが、あくまでもテスト環境です。
本番環境である公開サーバーで問題がないか再度確認しましょう。
とくに、致命的な問題がないか優先的に確認してください。
問題が発生した場合、Web制作会社にすぐに対応してもらいましょう。テストサーバーと違い、すでにユーザーがアクセスできる状態ですので、早急な対応が望まれます。
「301リダイレクト」が正しくできているかチェック
ドメインを変更した場合や、同じ内容にも関わらず、URL(階層)が変わったページがあれば、「301リダイレクト」が正しく設定できているか確認してください。
変更前のURLにアクセスして、変更後のURLにリダイレクト(転送)されていれば、問題ありません。
一度検索順位が落ちてしまうと、再度上位表示されるまでに時間がかかります。長ければ数ヶ月かかる場合もあります。
仮にアクセスが取れる重要なキーワードの順位が下がった場合、売上に与える影響は計り知れません。
新しいホームぺージを公開したら、すぐに確認しましょう。
プレスリリース、SNS、メルマガ等での通知
致命的な問題がない場合、ホームぺージのリニューアルを盛大に告知しましょう。
ユーザーをホームぺージに集客でき、リニューアル後の反響がすぐにわかります。
- ホームぺージのお知らせ(ニュース、新着情報)
- プレスリリース
- メルマガ
- SNS
【手順9】リニューアル後のチェック(~1ヶ月)
ホームページ公開後のチェックは、一度や二度では終わりません。ある程度時間が経過して初めて分かることもあります。
リニューアル後1ヶ月を目安に以下を実施してください。
- アンケート(社内、顧客)を実施
- アクセス解析で変化を確認
- Google Search Consoleで修正が必要な箇所を確認
アンケート(社内、顧客)を実施
ホームページをリニューアルして一ヶ月も経てば、何かしら問題点が発見されます。
課題をリストアップするためにも、社内や顧客からアンケートを取りましょう。
優先度が高い課題から対処します。
アクセス解析で変化を確認
ホームページのリニューアル後は何か負の影響が出ていないか確認します。
リニューアル前後、同期間で比べると分かりやすいでしょう。
ここでは最低限確認するべき項目を紹介します。
- アクセス数
- コンバージョン数
- 直帰率
- 滞在時間
- 平均読み込み時間(秒)
「アクセス解析って何?」という方は以下の記事を参考に、チャレンジしてください。

Google Search Consoleで修正が必要な箇所を確認
Google Search Consoleに登録すると、検索順位を測定できるほか、ホームページに対するGoogleからの修正アドバイスを確認できます。
- 検索パフォーマンス … 特定のキーワードの表示回数やクリック数など
- インデックス … 各ページが正しくGoogleに認識されているか
- エクスペリエンス … スマートフォンからアクセスした際に、使い勝手の良いホームページであるかどうか
検索パフォーマンスはリニューアル前後で比較するとよいでしょう。リニューアルの結果、検索順位が改善されたのか判断するのに役立ちます。
次にインデックスは、「Googleが正しく読み取れなかったページ」があった場合、エラーとして通知してくれる機能です。
仮にエラーが発生している場合、該当するページが検索結果に表示されないため、早急に対処しましょう。Web制作会社なら解決できます。
その他、エクスペリエンスは、「スマートフォンからアクセスすると問題があるページ」について通知してくれる機能です。
ページを読み込む際の速度、応答性、安定性に問題がないか、ページの操作性に問題がないのかが分かります。
「エクスペリエンス」で問題のあったページは、次の二つのツールを利用して、さらに原因を探れます。どちらも無料のため、あわせて活用してください。
モバイルフレンドリーテスト

モバイルフレンドリーテストは、ホームページが正しくスマートフォン対応できているか確認できるツールです。Googleが提供しています。
使い方は簡単。確かめたいページのURLを入力して「URLをテスト」をクリックするだけです。
問題がなければ、「このページはモバイルフレンドリーです」と表示されます。
仮にモバイルフレンドリーでなかった場合、Web制作会社に対応してもらいましょう。
Google PageSpeed Insights(グーグル・ページスピード・インサイト)

Google PageSpeed Insights(グーグル・ページスピード・インサイト)は各ページの読み込み速度やモバイル対応に関する問題の診断に役立ちます。
「携帯電話(スマートフォン)」「パソコン」それぞれのパフォーマンスを確認できます。
こちらも使い方は簡単。確かめたいページのURLを入力して「分析」をクリックするだけです。
仮に致命的な問題が発覚した場合は、早急に対処することをおすすめします。
具体的な改善点が表示されるため、自社で対応できなくても、Web制作会社に共有すれば対処してもらえるでしょう。
ホームぺージリニューアル後の効果検証

ホームページのリニューアルはゴールではなく、「再スタート」です。
あらかじめ設定した「目的」が達成されるのか、定量的な「目標」と「指標」を用いて、客観的に評価していきましょう。
仮に「コンバージョン数を年間1,000件から2,000件にする」という目標の場合、月間目標を立てます。
月間目標があれば、月ごとに目標が達成されたのか判断できるため、途中で軌道修正ができます。
また、指標は有効活用しましょう。
たとえば、月間のコンバージョン数の目標が100にも関わらず、80で着地してしまい、翌月に120必要だとします。
であれば、アクセス数を増やしたり、コンバージョン率(CVR)を改善したりすれば達成できます。
(例)現状 アクセス数1,600、CVR5%、CV数80
Q.アクセス数をいくらに増やせばよい?
A.120(CV数)÷0.05(CVR)=2,400(アクセス数)
Q.CVRをいくらに改善すればよい?
A.120(CV数)÷1,600(アクセス数)=0.075(CVR)=7.5%
目標を達成できるように、ホームぺージを改善するためのPDCAを回しましょう。

自社に適したWeb制作会社の選び方
最後、気を付けていただきたいのが「Web制作会社」選びです。
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まとめ
この記事では、ホームぺージをリニューアルする手順や注意点を解説しました。
- ホームぺージのリニューアルは「目的」を明確化し、社内一丸となって取り組む
- ホームぺージの目的に沿う定量的な「目標」と「指標」を立てる
- リニューアル後に困らないように、要件定義は慎重に行う
- リニューアル後は効果検証をして、目標が達成されるまでPDCAサイクルを回す
ホームぺージのリニューアルは会社にとって一大イベント。しかし、担当者になったからといって自分ひとりで背負わずに、社内の方やWeb制作会社に相談しながら進めてください。
それでは、素敵なホームぺージにリニューアルされることを祈っております。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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